興行収入257億円を突破し、まさに社会現象を巻き起こしている劇場版「鬼滅の刃」。
その大ヒットの陰で、映画館での盗撮やSNSでの違法アップロードといった問題が深刻化しています。
なぜこのような問題が起こり、私たちはどう向き合っていくべきなのでしょうか。
現在公開中の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』のリバイバル上映の本編の最後に流れている「無限城編」の劇場限定予告を盗撮した映像がネット上に見られます。
— 鬼滅の刃公式 (@kimetsu_off) May 11, 2025
劇場での映画の盗撮行為は「映画の盗撮の防止に関する法律」(映画盗撮防止法)により犯罪です。…
大ヒットの陰で起こっている問題
映画の大ヒットに便乗する形で、劇場での盗撮やその動画の違法アップロードが横行しています。
その影響は甚大で、著作権保護を目的とする団体「CODA一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構」によると、日本のコンテンツの海賊版による被害額は推定2兆円にも上るとされています。
最近では、劇場版「鬼滅の刃」を映画館で盗撮したとして、専門学校生が逮捕されるという事件も発生しました。
このような行為は、日本の著作権法により「10年以下の拘禁もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方」が科される可能性のある犯罪です。
また、民事でも高額な損害賠償を請求されるケースもあり、過去にはYouTubeへの無断アップロードで5億円、漫画の海賊版サイトで17億円の賠償命令が出された事例も報告されています。
【声明発表】劇場版「鬼滅の刃」盗撮行為がネット上に流出…!公式Xが「劇場での映画の盗撮行為は犯罪。違法アップロードも著作権侵害、刑事告訴を含む厳正な対処をしていく所存です」と断言 …ファンとしてガチで許せない…!映画館マナー守って安心して楽しもうね #鬼滅の刃 pic.twitter.com/KqTNTDVkLf
— ベッキー🐬︎ ̖́- (@becky428719) July 25, 2025
関係者を悩ます犯行の手口
盗撮犯の多くは、スマートフォンを使って撮影しています。
スマホは小型で目立たないため、盗撮を見つけにくくなっているのが現状です。
- 具体的な手口
- 携帯電話を横向きにしてスクリーンに向け、撮影している。
- 画面の光を抑えたり、人目を気にしながらこっそりと撮影する。
そして違法アップロードされた動画は、TikTokなどのSNSにも拡散されており、映画を楽しみにしていた人が、意図せずネタバレを見てしまう被害も発生しています。
この状況に対し、世間からは「まだ見てないのに結末を知ってしまった」「やめてほしい」といった批判の声が多く上がっています。
劇場版の鬼滅の刃
— フルグラ (@hurugura451) July 18, 2025
無限城編のネタバレするやつが
おってまじいい迷惑過ぎてウザい🙄
検索しないようにしとるけど、
ポストしてすぐ閉じるが1番だね😃☝️
おはよう☀みんな…
— @yasu_伊黒小芭内🐍✨ (@fujiiyasunori02) July 21, 2025
《劇場版 鬼滅の刃無限城編》
ネタバレ動画上げてる奴…99%確定‼️
観てない奴ら仕事やらで観に行けない奴らいるんだから気を遣えよ😮💨
問題行為を起こす心理とは
高額な賠償命令や刑罰が科されるリスクがあるにもかかわらず、
なぜ盗撮や違法アップロードは後を絶たないのでしょうか。
その背景には、以下のような心理があると考えられます。
- 安易な認識
- 「どうせバレないだろう」「自分一人で楽しむだけだから大丈夫」という安易な考え。
- 著作権侵害が重大な犯罪であるという認識の欠如。
- 承認欲求
- SNSで違法にアップロードすることで、「いいね」やフォロワーを増やしたいという欲求。
- 優越感
- 「みんなより早く知っている」「いち早く情報を共有したい」という優越感。
こうした心理的背景があるため、高額なリスクを負うにもかかわらず、盗撮や違法アップロードは根絶されないのです。
行為者は、目先の承認欲求や優越感に駆られ、安易な認識のまま行動に移してしまうため、法的なリスクに対する想像力が欠如していると言えるでしょう。
淡々と通報してるけど映画泥棒の違法アップロードも大量に溢れてるよね
— 原作ファン (@zXD5sWHk8rzKvkt) July 20, 2025
承認欲求を満たし違法を認めぬ醜さ 生き恥
問題行為を防ぐ対策は?
映画館側も、この問題に対し様々な対策を講じています。
- 上映前の啓発動画
- おなじみの「NO MORE 映画泥棒」の動画で、盗撮・盗聴が犯罪であることを呼びかける。
- 巡回とチェック
- 上映中にスタッフが定期的に劇場内を巡回し、スマートフォンの光など怪しい行動がないかチェックしている。
政府の海賊版対策の一環として、経済産業省・一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構・出版広報センターが連携し、「STOP!海賊版」の描き下ろし漫画を作成しました!全16作品を、本日から4作品ずつ4週に渡って順次公開していきます。是非ご覧ください!https://t.co/vRBft067RX pic.twitter.com/TGJ1hRexjj
— 経済産業省 (@meti_NIPPON) June 12, 2020
今後の課題
サイバー犯罪に詳しい専門家は、違法アップロードの取り締まりは難しいと指摘しています。
「取り締まりは、難しいといえば難しいんです。
特に違法にアップロードされたアップロード先が、もはや日本ではない可能性がありますので、日本の警察と海外の警察が連携をして、実際に捜査を進めていくことになります。
棚瀬誠さん(関西テレビ「newsランナー」2025年8月21日放送)より
しかし、映画の盗撮は「アナログ」な犯行であり、その入り口を止めることができれば、違法アップロードの連鎖を断ち切る鍵となります。
今後は、映画館と利用者が協力し、盗撮行為を許さない環境を作ることが最も重要と言えるでしょう。
劇場内での映画の撮影・録音は犯罪です。
— イオンシネマ【公式】 (@AEON_CINEMA) August 21, 2025
法律により10年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
不審な行為を見かけたら劇場スタッフまでお知らせください。
また、盗撮映像のWEBでの公開、DVD作成や販売も犯罪です。… pic.twitter.com/sHgjouYvCr
まとめ
劇場版「鬼滅の刃」の大ヒットは、日本の映画界に大きな活気をもたらしました。
しかし、その一方で、盗撮や違法アップロードという深刻な問題が顕在化しています。
これらの行為は、クリエイターの努力を無にするだけでなく、日本のコンテンツ産業全体に推定2兆円という莫大な損害を与えています。
この問題を解決するためには、映画館側の対策強化はもちろん、私たち一人ひとりが「盗撮は犯罪である」という意識をしっかりと持ち、不正な行為を見過ごさないことが大切です。
好きな作品を正しい方法で楽しむことが、作り手への最大の敬意であり、未来のコンテンツを守ることにつながります。
参考サイト
スマートフォンで撮影する性質上、かなり大胆な盗撮が行われていることが分かります。