本日(4月21日)羽田空港を発着するJAL(日本航空)とANA(全日本空輸)の国内線で、大規模な遅延と欠航が発生しています。
原因は国土交通省が管轄する「航空管制システムの障害」です。
現在はシステムが復旧し徐々に運航を再開していますが、ダイヤの乱れは終日続く見通しです。
この記事では、今回のトラブルの被害状況と、そもそも「航空管制システムに障害発生」とは具体的にどのような事態なのかを分かりやすく解説します。
1. 羽田空港で航空管制システム障害発生!JALとANAの国内線フライトへの影響
4月21日の朝、日本の空の玄関口である羽田空港を大混乱に陥れるトラブルが発生しました。
国土交通省の航空管制システムに不具合が生じ、国内線を中心に多大な影響が出ています。
各航空会社の午前7時50分時点の発表およびその後の状況は以下の通りです。
- ANA(全日本空輸)の状況
- 羽田空港を発着する国内線において、12便が欠航となり、約2,100人の乗客に影響が及びました。
これらに加え、多くの便で出発の遅れが発生しており、一部の便は大幅な遅延を伴いながら運航を続けている状況です。
- 羽田空港を発着する国内線において、12便が欠航となり、約2,100人の乗客に影響が及びました。
- JAL(日本航空)の状況
- 午前6時30分ごろから航空管制システムに不具合が生じ、羽田空港を発着する便を中心に始発便から遅れが発生しました。
午前9時現在で12便が欠航し2,415人に影響が出ているほか、約40便で遅延が発生し、約5,000人もの足に影響が出ています。
- 午前6時30分ごろから航空管制システムに不具合が生じ、羽田空港を発着する便を中心に始発便から遅れが発生しました。
システム自体は午前8時15分に復旧を果たし、現在は徐々に動き始めていますが、朝のかき入れ時に発生したトラブルの余波は大きく、本日中はダイヤが大幅に乱れる見通しとなっています。
2. そもそも「航空管制システム」とはどんな役割を果たしている?
空には道路の白線や信号機がありませんが、「航空路」という目に見えない決められた道が存在します。
空には日々無数の飛行機が飛び交っており、もしそれぞれが自由に飛べば、たちまち空中衝突の大惨事になってしまいます。
そのため、地上の管制塔や管制部からパイロットに高度や進路の指示を出し、安全な間隔を保つように交通整理を行うのが「航空管制官」の役割です。
そして、その管制業務を根底から支え、自動化・高度化しているのが「航空管制システム」です。
主に以下のような重要な機能を担っています。
- レーダー情報処理
- 飛行機の現在位置、高度、速度などを瞬時に計算し、管制官のモニター上に正確に表示します。
- 飛行計画(フライトプラン)の処理
- 各便の出発地、目的地、予定ルートなどのデータをシステム上で管理し、全国の管制機関で共有します。
- 通信・ネットワーク
- 管制官とパイロット、または管制機関同士が音声やデータでリアルタイムにやり取りするための通信網です。
3. 「航空管制システムに障害発生」とは主にどんなことが考えられるのか?
主に以下の3つの深刻なケースが考えられます。
① 飛行機の位置情報が分からなくなる(レーダー情報の異常)
管制官の画面から飛行機の位置や高度を示すデータが消えたり、動きがフリーズしたりする状態です。
管制官は飛行機同士が衝突しないように安全な間隔を保つ指示を出していますが、正確な位置が分からなければ指示の出しようがありません。
安全を最優先するため、上空にいる飛行機を旋回させて待機させたり、新たな飛行機の離陸をストップさせる必要があり、結果として大規模な遅延につながります。
② 飛行計画のデータが共有できなくなる(フライトプランの処理障害)
どの飛行機が、いつ、どのルートを飛ぶのかという情報がシステム上で処理・送信できなくなるケースです。
これが機能しないと、出発空港から到着空港までの各担当管制エリアへの引き継ぎがスムーズに行えません。
システムが使えない場合、電話などの手作業で各部署に連絡を取り合うことになり、処理能力が著しく低下するため、安全確認が取れるまで飛行機の出発を待たせることになります。
③ 通信トラブルによる情報伝達の遅れ
システム同士をつなぐネットワーク回線にトラブルが起き、必要なデータが指定の端末に届かない状態です。
航空管制は全国のシステムが複雑に連携して動いているため、一部のサーバーや通信回線に不具合が生じるだけで、全国的な離発着制限につながることがあります。
主な原因としては、サーバーやネットワーク機器の物理的な故障(ハードウェアトラブル)、システムを動かすプログラムの不具合(ソフトウェアのバグ)、ネットワークの設定ミスなどが挙げられます。
4. システムが復旧してもダイヤの乱れが続く「玉突き遅延」のメカニズム
今回の報道でも「システムは復旧したが、ダイヤが大幅に乱れる見通し」とされています。
「直ったのなら、すぐに普段通り飛べるのでは?」と思うかもしれませんが、そうはいきません。
飛行機の運航は、パズルのように分刻みで精密に組まれています。
1機の飛行機は1日に何度もフライトをこなすため、羽田を出発する便が遅れると、到着先の空港からの折り返し便も当然遅れます。
これを「玉突き遅延」と呼びます。
また、パイロットや客室乗務員の乗務時間には安全上の理由から厳格な上限が定められており、長時間の遅延によって上限を超えてしまうと、急遽別の乗務員を手配しなければならず、さらに時間を要します。
機材のやりくりや人員配置が全国規模で狂ってしまうため、朝の1時間半のシステム停止であっても、正常な状態に回復するまでには丸一日かかることが多いのです。
5. まとめ:利用者が取るべき対応策
安全第一の航空業界において、航空管制システムは絶対に欠かせないインフラです。
システム障害が発生した場合、事故を防ぐために「まずはすべての動きを止める」のが大原則であり、それが今回のようなJALやANAの国内線の大規模遅延・欠航につながります。
もし皆さんがこうした事態に直面した場合は、焦らずに以下の対応を取りましょう。
- 最新情報の確認
- 航空会社の公式サイトやアプリ、公式SNSで最新の運航状況をこまめにチェックする。
- オンラインでの手続き
- 不可抗力による欠航や遅延の場合、手数料なしで振替や払い戻しが可能です。
空港のカウンターは長蛇の列となるため、可能な限りスマートフォンなどからオンラインで手続きを行う。
- 不可抗力による欠航や遅延の場合、手数料なしで振替や払い戻しが可能です。
ご旅行や出張に影響が出た方には大変なご迷惑となりますが、すべては「乗客の命を守り、安全に空の旅を提供するため」の必須の処置です。
トラブル発生時は冷静な対応を心がけましょう。



ニュースでたびたび耳にする「航空管制システム」ですが
これが止まるとどうして飛行機が飛べなくなるのでしょうか。